東京都水道歴史館
水が恋しい。
残暑というには些か、いやいや大分おこがましい猛暑の毎日です。少しでも涼をと水を話題にというわけで、博物館の話題が続いてしまう点はご容赦を願って、『東京都水道歴史館』へのお誘いです。
東京都水道歴史館とは、東京都水道局のPR館の一つですと資料にあります。とはいえ明治時末期に淀橋浄水場内に開館した模型室を前身に持ち、なにしろ江戸時代に世界最先端の都市型水道を作り上げた江戸東京の、水道局ですから、博物館として十分に好奇心を満たしてくれる展示内容です。しかもPR館ですから入館無料ですし、入口すぐの石と水のオブジェに流れる水音が、水琴窟のようとは少々言いすぎですが、館内に響き心地よいのです。
展示は順路をたどって2階の江戸上水から1階の近現代水道となっており、実物や模型、相変わらず細部にこだわったジオラマが、楽しめます。逆に言えば水道の事だけで間が持ってしまっていることにも感心させられるのでもあります。
東京都水道局本郷支所内に本郷給水所公苑に隣接するこの東京都水道歴史館へのアクセスはいろいろ考えられますが、ここはJR水道橋駅より水道橋で神田川を渡り、少し坂を上がって向かうのが気分です。ただ歴史館には、最近江戸切子風にラベルデザインをリニューアルした、ご自慢の『東京水』の販売も自販機の用意もありません、暑いさ中にはご注意くださいませ。
舩津 孝